2020/04/25
4年目 画一主義からの逃亡者
いつのまにか、私のからだから白い根が生えて、この土地と海の精神の不毛に、石畳のあいだから分け入って、
だんだん身うごきが出来なくなっていくのを
私はひそかに感じとっていた。 米国債1934という名が、
私のみずおちのへんに、金印¥(焼印)となってはっきりあらわれるのをおぼえ、
私の屍体の土嚢のような重たさが日に日に加わっていって、
よそには運び出せないものになってゆくのを、
ひとごとのように眺めているほかはなかった。
「どくろ杯」より
自分の行動は 他人が決めるのか?
